ＢＴＳのメンバーが兵役に就くとき、陸軍の軍楽隊に入るというのも選択肢の一つになる。そうすれば、毎日音楽活動をしながら軍務をこなすことができる。そもそも、韓国軍の軍楽隊とはどういうものなのか。
写真＝BTS公式SNS
師団の軍楽隊は２５人前後
軍楽隊は、軍隊に必須の存在だ。組織を鼓舞し、儀式でも音楽で統制をはかる。さらに、民間と軍隊をつなぐ象徴にもなれる。そういう意味でも、韓国では陸軍・海軍・空軍の各軍において、軍楽隊がたくさんある。
陸軍を例にとると、陸軍本部・陸軍士官学校・首都防衛司令部にある軍楽隊が最高レベルとなっている。
隊員は５０人以上で構成されるが、多くは音楽大学で専門的に楽器を習得してきた人たちだ。
次のレベルが軍司令部・陸軍訓練所などに所属する軍楽隊。３５人前後で構成されているが、隊員は音楽大学の入学実技試験を受けようとするくらいの技量を持っている。
以上のように高いレベルを持った軍楽隊のメンバーは、兵役に入る前に力量を審査されて選抜される。つまり、事前に合格する必要があるのだ。
一方、実力的に三番目に位置するのが各師団に所属している軍楽隊だ。
新兵訓練中に「楽器を少しかじっていた」ことを買われて、各師団の軍楽隊に選ばれるというケースが多くある。
あるいは、作曲家・ピアニスト・声楽家・歌手が音楽の実績を評価されて軍楽隊に誘われる場合がありうる。
こうして選抜された師団の軍楽隊はどういう構成になっているのか。
師団クラスの軍楽隊のメンバーは２５人前後である。
隊長は、中尉か大尉クラスの職業軍人が担当する。音楽を専門的に学んだ人がほとんどだ。
２５人の隊員の内訳を見ると、クラリネット・フルート・サクソフォーンなどの木管楽器が１０人前後、トランペット・トロンボーン・チューバなどの金管楽器が１２人前後、シンバル・大太鼓・小太鼓などの打楽器が４人前後となっている。
なお、軍楽隊の隊員も一応の軍事訓練を受けるが、軍務の主たるものは公式行事で音楽を吹奏することである。
非常に重要な任務であり、そうした行事で高度な音楽性を披露するためには、日常の練習が欠かせない。そういう意味では、毎日が音楽漬けとなる。
もしBTSのメンバーが軍楽隊に入れば、自らの音楽的な素養を十分に発揮できるだろう。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
