BTSと兵役/「第1回」兵役免除の是非

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BTSの中で最年長のJINが兵役延期を終了して今年中にも兵役に入る情勢になってきた。これからのBTSの兵役問題はどうなるのか。シリーズ連載を通して、彼らの兵役の行方を考えてみよう。

写真=BTS公式SNS




賛否両論が分かれる問題

この数年間、BTSの兵役免除問題が韓国で話題になっていた。
もともと、韓国にはスポーツと芸術の分野で世界的な活躍をした人に兵役免除の特例を与える制度がある。
スポーツの分野では「オリンピックのメダリスト」「アジア大会の金メダリスト」が対象であり、芸術の分野では「国際芸術コンクール2位以上の入賞者」「国内芸術コンクールの優勝者」が兵役免除となる。
しかし、大衆音楽はずっと特例の対象からはずされていた。
BTSの人気が世界中に広がると、「国に貢献している彼らが兵役免除にならないのはおかしい」という意見が強くなった。
その一方で、スポーツ選手が兵役免除の特例を意図的に利用する風潮も見られるようになってきた。
そこで、兵務庁と文化体育観光部は共同で、スポーツ選手と芸術家に対する兵役特例制度(兵役免除)の見直しを検討してきたが、最終的に大衆音楽の分野に兵役免除を取り入れることはできなかった。




その理由は何なのか。
わかりやすく言えば、「スポーツや芸術の分野は権威のある大会があって入賞者を特定しやすいが、大衆音楽は兵役特例を決定する明確な基準がない」ということだ。
さらに言うと、韓国で兵役免除は賛否両論が分かれる難しい問題なのだ。特に、息子を兵役に出している母親たちの多くが兵役免除制度に批判的だ。そういう背景もあって、韓国政府は兵役免除の拡大を簡単には実現できなかった。
それでも、国会議員の一部はBTSへの兵役特例免除にこだわったが、あまりにも時間がかかりすぎてしまい、JINが兵役延期リミットの「30歳」を前に決断して年内に兵役に入る見通しとなった。
結局は、「特例」より「公平な兵役制度」が守られることになった。「兵役特例を使った場合の批判」を抑えることにつながったのは、むしろBTSの今後に向けて良かったのかもしれない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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