ドラマ『二十五、二十一』の第7話では、キム・テリが演じたナ・ヒドがアジア大会のフェンシング競技で優勝した場面が描かれた。しかし、誤審問題が起きて、ナ・ヒドはひどく傷ついてしまった。
感激の涙
アジア大会の決勝でナ・ヒドが戦ったのは、ライバルのコ・ユリム(キム・ジヨン)だった。
一進一退の攻防の末に、最後のポイントを取ったのはナ・ヒドで、彼女は優勝した。
しかし、コ・ユリムが誤審だったと抗議し、優勝後の記者会見は荒れて、ナ・ヒドも感情的になってしまった。
結局、誤審問題の対応でナ・ヒドは批判を浴びて、優勝の感激にひたることはできなかった。
傷心のナ・ヒドは家にも帰れず、食堂で夕飯を食べる羽目になった。
横に座っていたのがハラボジ(おじいちゃん)のグループだった。
ハラボジは泣いているナ・ヒドに気が付き、励ましの言葉をかけてくれた。
「ナ・ヒド選手、昨日の試合は本当にカッコよかったよ」
「金メダル、おめでとう」
「そこまで行くのに、どれだけ大変だったことか。どれだけ涙を流したことだろうか。苦労が多かったね。これからも韓国のフェンシングをよろしく頼むよ」
こうした温かい励ましを受けて、ナ・ヒドは感激の涙をこぼした。
彼女は孤独だった。優勝したのに、何も報われない気持ちだった。
しかし、見知らぬハラボジが優勝を祝賀してくれて、これまでの苦労をねぎらってくれた。
その気持ちがどれほどナ・ヒドにとって支えになったことか。
こうした場面を随所に入れてくれるのが、『二十五、二十一』の脚本の優れたところだ。
ハラボジが励ましてくれた場面は、見ていて本当に心が救われるシーンだった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
『二十五、二十一』総力特集「第4回・会えなくても心で会える」