トッケビに出会う幸せ「第3回・希有な存在感」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

キム・ウンスク作家といえば、『シークレット・ガーデン』や『太陽の末裔』という超人気作を執筆した人気脚本家だ。これほどの大物が、盛んにラブコールを送った俳優がコン・ユだった。しかし、彼は5年間にわたってその出演依頼を断り続けた。

写真=tvN『トッケビ』公式サイトより




断らざるを得ない事情

キム・ウンスク作家の出演以来を丁重に5年も断り続けたコン・ユ。いかに、彼が慎重な性格なのかがわかる。
それでも、キム・ウンスク作家は諦めなかった。再び、コン・ユに出演依頼をした。ただし、「また断られるのでは」と予想せざるを得なかったのだが、今度こそコン・ユは「こんなに小心で怖がりなトッケビ(鬼)でも大丈夫であれば、一緒にやりましょう」と答えたという。
その瞬間の心情を、キム・ウンスク作家は「とてもうれしかった」と感激をこめて振り返った。
それにしても、コン・ユはなぜオファーを断り続けたのか。
彼としても、キム・ウンスク作家のすごさをよく知っているので断るのは恐れ多いと思ったのだが、それでも彼には断らざるを得ない事情があった。
それは、ドラマの制作スタイルへの不安が強いからだ。




先に制作を完了して放送するという「事前制作」であれば、コン・ユもそこまで不安を抱えないのだが、韓国ドラマの通常のスタイルでは、撮影しながら放送するという「生放送」に近い状況に陥ってしまう。そのことをコン・ユは、体力的にも精神的にも恐れてしまうのだった。
そういう意味で彼は「長い時間をかけてじっくりと撮影する映画のほうが自分には合っている」と考えていたのである。
ただ、俳優はオファーがあってこそ自らの道を切り開いていける立場だ。しかも、キム・ウンスク作家が5年にわたって熱心に誘ってくれている。さすがに、コン・ユも断りきれなくなったというのが正直なところではないのか。
そんな風に始まったのが『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』であった。
キム・ウンスク作家は、すばらしい脚本を書くのだが、物語の後半になると勢いが落ちると批判されることもあった。
しかし、念願だったコン・ユの主演が実現できて、キム・ウンスク作家は最後の最後までエネルギーを保ち続けたまま『トッケビ』の執筆を終えた。
(ページ2に続く)

トッケビに出会う幸せ「第1回・永遠の命」

トッケビに出会う幸せ「第2回・深遠な世界」

トッケビに出会う幸せ「第4回・死神」

ページ:

1

2

関連記事

  1. 『キム秘書』がこんなに面白いのはラブコメの本流だから!

  2. トッケビに出会う幸せ「第5回・時空を超えた愛」

  3. 新感覚!『アンナラスマナラ~魔法の旋律~』はエンドロールまで見逃せない!

  4. 『愛の不時着』はスイスという最適の不時着の場所を見つけた!

  5. 『不滅の恋人』が描く時代の史実はどうだった?

  6. 会えなくても心で会える/とてつもない傑作物語『二十五、二十一』4

  7. 我慢を強いられる犠牲的な人生/韓国ドラマが描く女性像1

  8. 『麗』で一番の注目は2人の美しき対決!

  9. 魅力的なキャラクターが本当に多い/マイ・ディア・ミスター礼賛8

PAGE TOP