パク・ソジュンが『キム秘書はいったい、なぜ?』の撮影に入ったとき、戸惑いが大きかった。それは、演じるヨンジュンがあまりにナルシストで、自己愛が強い男だったからだ。それは想像もできないようなキャラクターだった。
正反対の人間
『キム秘書はいったい、なぜ?』のヨンジュンの役は、パク・ソジュンとしては素の自分とあまりに違いすぎた。
しかし、それは俳優にとってよくあることだ。むしろ、自分と違う役を演じたほうが興味深いだろう。
そのことにパク・ソジュンも気づいた。
「今回演じたヨンジュンは、本来の私とは正反対の人間だと思います。でも、自分を愛そうと思ったら、そのまま愛することができるんですよ。結局、ドラマを通して自分が変わったみたいです」
こう語るほどヨンジュンというキャラクターはパク・ソジュン本人に強い影響を与えた。それは、俳優としての多様性を広げる効果も生んだ。変化は確実にパク・ソジュンに訪れたのだ。
彼がさらに言う。
「以前は、演技がうまくできないと『自分が失敗したのかな』とへこんだのですが、最近は『そういうこともあるだろう。よくやってるよ』と思えるようになりました」
事実、パク・ソジュンは『キム秘書はいったい、なぜ?』の撮影では「これはコミカルな状況ではない。私の日常なんだ」と思えるようになったという。
「シナリオを見ているときは、自分のセリフばかり気になります。しかし、撮影現場でパク・ミニョンさんの演技を見て、『このように演技をするのか』と感動しました。監督も『相性がいい』と言ってくださいますし、このドラマに出演したことで長所しか見つけられませんね」
こうしてパク・ソジュンは『キム秘書はいったい、なぜ?』でナルシストを自然体で演じることができた。
構成=「ロコレ」編集部
パク・ソジュンの演技力を楽しむ4「とんでもない会食(前編)」