韓国のお好み焼きと表現されるチヂミは、様々な食材を小麦粉などと合わせ、油で焼いた粉料理。しかし、お好み焼きはフンワリと厚みがあるが、チヂミは表面がカリッと中がモチッとして平たい。ソースとマヨネーズなどをかけて食べるお好み焼きと、醤油ベースのタレをつけて食べるチヂミは食感も味も異なる。そこで、チヂミを美味しく焼いてみようと試みた。
カリカリでモチモチにチヂミを焼こう
チヂミは野菜を食べる料理と言ってよいくらいであるから、野菜は多めに生地は少なめにするのが鉄則だ。
小麦粉でカリッと、片栗粉でモチモチにする。
生地は適量を薄く広げ、多めの油で焼き、生地全体をフライ返しで時々押さえる。
ひっくり返すタイミングは中央部分が透明になってきた時だ。
裏返したら生地の周りからごま油を回し入れ、フライ返しで押して焼く。
もう1回裏返して焼くとカリカリになる。
チヂミの生地の配分は大切であり、ヨーグルトより少しゆるめを目安にする。
私は2人分で、薄力粉60g、片栗粉40g、卵1個、水100cc、だしの素と塩少々の配分でチヂミを作ってみた。
基本的なニラと豚バラのチヂミ、ちょっと贅沢な海鮮チヂミ、かぼちゃと玉ねぎの優しい味のチヂミ、チーズとコーンのピザ風チヂミ、紅生姜と長ネギのおつまみチヂミの5種類。
作ってみると天ぷらにも似ている料理と感じた。水の代わりに炭酸水を使うとさらにカリカリになる。
天ぷらはカラッと揚げるのが難しく、揚げたては美味しいが時間が経つとペタッとしてしまう。
だが、チヂミは作りやすく時間が経っても美味しい。
韓国では「雨の日になるとチヂミを食べる」という言葉がある。家にある冷蔵庫の中の食材を活かし、アイディア次第で簡単に栄養のバランスの良い美味しいものを作る。
これは、先人の知恵と経験を生かしたとても勉強になる粉料理である。
文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。