暑い日が続く夏に食べる、喉越しの良い冷たい麺料理。体の熱をとり食欲がない時も美味しい。冷麺は韓国料理店と焼肉店、ファミリーレストランのメニューにある。友人に勧められ新大久保の韓国料理店で食べてみると、とても美味しかった。麺の独特のこしと珍しい歯ごたえが特徴。キムチと梨がのっているのは何故なのか、そこで冷麺について調べてみた。
ムルは「水」でビビンは「混ぜる」
冷麺はムルレンミョンとビビンネンミョンの2種類がある。
ムルレンミョンはそば粉と緑豆子が用いられ、黒っぽく柔らかい麺だ。冷たいスープは透明で、牛肉をじっくり煮込んでとった出汁と大根の水キムチの汁を合わせたものだ。
ビビンネンミョンはジャガイモやトウモロコシなどのでんぷんを原料とし、細くて噛み切りにくい麺である。コチュジャンをベースとし赤くて辛いタレを麺に和える。
日本人の口に合うアレンジされたものには盛岡冷麺があげられ、その他にも種々の材料で作られたネンミョンがあるようだ。
早速ムルレンミョンを作ってみた。
韓国調味料ダシダとガラスープの素、砂糖と醤油、しょうが汁に水を加え煮詰めてスープを作り冷やす。スープは早めに作りしっかり冷やすのがポイントになる。
麺を茹で冷水でよく洗い、水切りをして器に盛る。
茹でた牛肉とキュウリ、キムチ、ゆでタマゴをのせてスープを入れる。
酢、からし、キムチをテーブルに置いて、各自お好みの味にして食べてもらう。
さらにリンゴや梨などの果物を添えるとベストである。
そばの色の麺と透明のスープ、キューリの緑、キムチの赤、卵の黄色が見た目にも涼やかで美しい。
牛肉の旨味とキムチの酸味のバランスが良くとても美味しい。スープはダシダを使うと簡単な上に、しっかりした旨味が出る。
お酢には疲労回復の効果があり、栄養食の卵や体の熱を冷ますキューリ、そして発酵食品のキムチと夏のからだにうれしい成分が十分入っている。
これからも、冷麺は日本各地で夏の麺料理として親しまれ、より多くの人に好まれていくであろう。
文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。