餃子は日本でとても人気のある料理である。そして、小麦粉に水を加え伸ばして作った皮で具を包んだ料理は、世界中で愛されているようだ。バリエーションは世界各国様々であり、呼び方もイタリアの「ラビオリ」、ポーランドの「ピエロギ」、トルコの「マントゥ」など餃子の仲間は多くの国で定着した。韓国の餃子は「マンドゥ」と呼ばれ、蒸して食べたりスープに入れたり……。とにかく多彩だ。
世界中で愛される餃子
餃子の起源は諸説あるようだ。古代メソポタミア文明の遺跡から小麦粉の具を包んで加熱した食べ物が見つかっている。それがシルクロードを伝わり中国などで発展して諸国に伝わったのではないか、と考えられる。
韓国のキムチ入りのマンドゥを作ってみた。
材料は餃子の皮、豚ひき肉と白菜キムチ、豆腐、長ネギ、塩とごまだ。
みじん切りした野菜と豆腐とキムチはしっかり水切りしてから、皮以外の材料を手でよくこねたものを、皮に包んで蒸す。いつもの餃子と手順はほぼ同じだが、包み方に個性がある。
包み方は皮を2つ折りにして半月にし、次に半月の片端に水をつけて端同士をくっつけ、ぷっくりと丸く帽子のような形にする。
実際に作ってみると意外に簡単にできた。キムチと豚肉のもつ色々な旨味が餡に詰まり、豆腐のつなぎでとてもやわらかくツルツルしている。ネギの風味がさっぱりして飽きない美味しさだ。
マンドゥの包み方は他にも色々あり、中に入れる餡も春雨や大根、ニラやレンコンなどと様々だ。
油で揚げたり、焼いたり、スープや鍋に入れたりと色々な調理法があるので、沢山作って冷凍しておくと便利だ。
冷凍食品もかなり充実している。最近は『宮廷女官 チャングムの誓い』の原題の名前をもらった四角い形の「大長今」や、海鮮マントゥなど多様化している。
今度はぜひ、韓国料理のお店に行っていろんな種類を食べてみたいものだ。
これだけ世界で愛されている餃子の文化には、まだまだ知られていない沢山の話題が尽きないのであろう。本当に奥深い料理である。
文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。