最近の活況を呈する韓国ドラマの中で、ひときわ注目を集めたのが『ヴィンチェンツォ』(tvN)だった。ソン・ジュンギが演じる主人公のヴィンチェンツォは、とても印象的なダークヒーローだった。
痛快な報復劇
物語の主人公となるヴィンチェンツォは、もともとイタリアのマフィアの出身だ。この設定が、今までの韓国ドラマでは絶対に見られない奇抜さに満ちていた。
そして、全編を貫いているテーマが「悪は悪で処断する」というものだ。
ヴィンチェンツォがマフィアの恐るべきスタイルで、悪者を徹底的にこらしめる。
とはいえ、ヴィンチェンツォは弁護士であり、ただ暴力的にふるまうわけではない。むしろ、インテリジェンスを駆使しながら巨大な権力に立ち向かっていく。
そして、痛快な報復劇というドラマ性がタップリ描かれているので、面白さが突き抜けていくのだ。
ソン・ジュンギも、完全にダークヒーローになったヴィンチェンツォに扮して、新たに役者魂の幅を広げたことは間違いない。
彼は次々に既存のイメージを破って新しいキャラクター像を作り上げているが、今度はヴィンチェンツォという突出した人物像を自分の俳優キャリアに付け加えた。
しばらくは、そのイメージが視聴者の心の中に残り続けるだろう。そうやって、ソン・ジュンギは自分の俳優像を保っていくことになるのだろう。
文=「ロコレ」編集部
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