相対的に見ても、韓国ドラマは日本のドラマよりもはるかに言い争いの場面が多い。愛憎劇だけではなく、甘いラブロマンスやコミカルなホームドラマでも、登場人物たちは自分を強く主張して、相手と激しく言い争う。
日韓の違い
日本のドラマは、ここぞと言うときに恋人たちがもめたりするが、普段はどなりあったりしない。
むしろ、言いたいことはあっても、グッと心に呑み込んでしまう場面が多い。感情を出さずに耐え忍ぶ姿が、むしろ視聴者に余韻を残すのである。
あるいは、どなりあって感情をぶつけすぎる場面は視聴者に不快感をもたらす、と考えている脚本家が日本に多いかもしれない。
しかし、韓国の人たちは人間関係において対立をあえて避けようとはしていない。自分が言いたいことを我慢するのが一番のストレスだ、ということをよく知っていて、できるだけ自分の主張をアピールする。
その結果、たとえ相手と対立したとしても、それによって考え方の違いが明らかになって、かえって折り合う接点を見つけやすくなる。
ドラマを見ているとよくわかるが、口ゲンカをした当人同士が、次の日にはお互いにケロリとしている。
つまり、気まずい雰囲気が残らないのである。そこが韓国の人たちの「ケンカ上手」なところだ。
日本では、そういうわけにはいかない。
どんなに仲がよくても、どなりあったらシコリが残る。これはもう、国民性の違いとしか言いようがない。
かくして、韓国ドラマが好きな人は、今日もどなりあうシーンをたっぷり見る羽目になる。それによって、物語が大きく動くときも多い。いわば、韓国ドラマには必要な場面なのかもしれない。
構成=「ロコレ」編集部
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