本当の勝負
人によって違うのだが、男の40代は「人生のど真ん中」という意識が強くなる。
たとえば、峠のてっぺんに立った、という印象だ。
以後は、ゆるやかな下り坂が待っている。もちろん、人生そのものが“下り”に入るわけではないが、体力的には徐々に疲れを感じる。その分、精神的に高揚して情熱的になる、とも言える。
さらに言うと、40代に入ると「これからが本当の勝負!」と覚悟を決められる。
それだけに、自分が信じた道をまっすぐに堂々と歩いていけばいい。失敗もあるだろうが、恐れてはいけない。
なにしろ、“失敗”とは挑戦した証でもあるのだから……。
コン・ユが出演作を選ぶ基準は「自分に新しいものをもたらしてくれる作品かどうか」ということ。2つの映画は彼の情熱を大いにかきたてるものなのだ。
黄金の40代を迎えたコン・ユが楽しみだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)