前世に思いをめぐらせる
確かに、キム・シンは達観していた。
それが可能だったのは、900年以上という長い時間を生きた経験が大いに活かされていたからだろう。
並の人間にはそれが無理だ。
達観など、とうていできない。
しかし、『トッケビ』を見ることによって、時空を超えた不思議な世界を旅する疑似体験を得られる。
それに身をまかせれば、ドラマの登場人物と同じように、自分の前世に思いをめぐらせることもできる。
同時に、見果てぬ世界を想像する力を持てるようになれば、紅葉まっさかりのカナダへも行ける。
そのことを美しい映像で見せてくれたのが『トッケビ』というドラマだった。
これほど魅せられたのには、相応の理由があったのだ。
『トッケビ』を見続ける人は、間違いなく、不思議な世界をめぐる旅人だ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
『トッケビ』から2年!黄金の40代に入るコン・ユの情熱とは?