底抜けに明るい本が「おがっちの韓国さらん本」である。著者のおがっち(小片悦子)さんはフリーアナウンサー。韓国で経験したことを愉快に綴ったこの本が第5回島根本大賞を受賞して増刷にもなった。話題のこの本を紹介しよう。
韓国を理解するうえで最適な1冊
私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)が、東京・神保町の「チェッコリ」で開催されたおがっちさんのトークショーに出かけたのは2019年4月20日のことだった。
このトークショーは、「おがっちの韓国さらん本」の発刊を記念して行なわれたもので、彼女がこれまで18年間に韓国に関わったことを軽妙なトークで語ってくれた。
とにかく、話を聞いていても、おがっちさんの韓国に対するサラン(愛)がすばらしい。その気持ちがそっくり込められているのが「おがっちの韓国さらん本」である。
彼女の軽妙な語り口がそのまま文章になっていて、とても読みやすい。
おがっちさんは「はじめに」でこう書いている。
「日本と韓国の間にはいくつかの問題が横たわっています。歴史問題、領土問題などは一筋縄にはいきません。ただ、問題解決への糸口は『相手を知ること』、『相手を理解すること』にあると思うのです」
この言葉の通り、韓国を知って理解するうえで「おがっちの韓国さらん本」は最適な1冊になることだろう。
本の主な構成は次のようになっている。
・韓国との出会い
・韓国と竹島のはざまで
・ハルモニたちとの爆笑!珍道!?バスツアー
・念願の「おがっちと行く」韓国ツアー
・笑顔あふれる、おもてなしの江原道ツアー
・韓国が大好きと言ってはいけないの?
・おがっちの韓国さらん公開講座
・韓国エンタメ大解剖~なぜ、世の女性は韓国スターに魅かれるのか
こうした章タイトルを見ているだけで、ワクワクしてくる。
同時に、韓流エンタメの大解剖が実にタメになる。
ドラマ編、映画編、K-POP編があって、おがっちさんのズバリと指摘する分析で、韓流エンタメのツボがよく理解できる。
この「おがっちの韓国さらん本」は、第5回島根本大賞を受賞した。さらに増刷になったという。
本を執筆する者にとって、増刷は本当にうれしい慶事である。今後、さらに多くの人がこの「おがっちの韓国さらん本」を読んでいただけることを願っている。
文=康 熙奉(カン ヒボン)