王妃は40人以上
世子嬪は夫が王になったときに、すぐに王妃に冊封されます。彼女たちは「国母(クンモ)」と呼ばれ、朝鮮王朝のファーストレディになります。
朝鮮王朝では王が絶対君主として統治するといっても、裏では王妃がかなりの権力を持っていました。
なお、朝鮮王朝時代の王は27人でしたが、王妃は40人以上いました。当時は一夫一婦制でしたが、王妃が亡くなると王はかならず10代の娘を再婚相手に選ぶという決まりがありました。
たとえば、ドラマ『イ・サン』に登場した21代王の英祖(ヨンジョ)の場合、最初の貞聖(チョンソン)王后と長い夫婦生活をおくりましたが、王妃が先に亡くなると、還暦を過ぎていながら10代の娘と結婚することになります。その相手が貞純(チョンスン)王后です。
この王妃はかなり曲者(くせもの)で、後には朝鮮王朝の歴史を揺るがす悪政を行ないます。
実際、朝鮮王朝では王妃が実権を握ると政局が乱れて、さまざまな事件が起こります。それが今では韓国時代劇のネタになっています。
やはり、朝鮮王朝を王の立場だけで見ても、実態を正確にはつかめません。王妃という存在が、王宮の裏面史をドロドロに飾っているのです。
〔新刊情報〕
書名/『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』
発行/実業之日本社
価格/900円+税
〔内容〕
第1章 韓国時代劇の人気作品で一挙に把握!朝鮮王朝の歴史とエピソード
第2章 韓流時代劇を見るときに必読!「朝鮮王朝の歴史/簡潔編」
第3章 朝鮮王朝をより深く知るための重要な歴史知識
第4章 これが韓国時代劇の主人公たちの実像!
第5章 韓国時代劇の最強ネタは「朝鮮王朝三大悪女」!
第6章 朝鮮王朝を揺るがせた重大事件の張本人
◆資料 歴代国王一覧・歴代王妃一覧・朝鮮王朝年表・人名事典・用語事典
〔著者〕
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『ヒボン式かんたんハングル』『悪女たちの朝鮮王朝』『韓流スターと兵役』『朝鮮王朝と現代韓国の悪女列伝』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。
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