サムスンはいかにして「世界のブランド」になったのか(前編)

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半導体と携帯電話で巨額の収益をあげるサムスンは、今や世界の「10大ブランド」に数えられるほどの巨大企業だ。このサムスンが飛躍的に伸びた理由はどこにあったのだろうか。

1200本以上の映画

1953年、韓国から日本に留学してきたその少年は、学校が終わると毎日一目散に映画館に駆け込んだ。
そして、そのまま上映が終わるまで映画館で過ごすことを日課にしていた。学校が休みの日曜日なら、朝から晩まで映画館で過ごした。
そんな日常を過ごすうち、わずかな間に見た映画はゆうに1200本以上にのぼった。まだ小学5年生。当時は日本でも映画が最大の娯楽だったが、これほどの本数を見た人間は、おそらく少年の他には1人もいなかっただろう。




なぜ、少年は映画館に籠もったのか。そこには悲しい事情があった。
実は少年は日本で多くの差別を受け、心が鬱屈していたのだ。
しかし、映画館の暗がりにいるときだけは、誰からも冷たい目で見られなかった。別に、映画が特別好きだったわけではない。でも、映画館の中は自分の身分を隠すのに絶好の場所で居心地がよかった。(ページ2に続く)

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