強烈な仲間意識
韓国では本当に「仲間」と「他人」の区分けが非常に明確になっている。これは、儒教社会において大家族で共同生活をしてきたことが強く影響していると思われる。とにかく、韓国人の多くが強い同族意識を持っている。
それを促したのが、日本と比べ物にならないくらいに多い法事だ。
祖先崇拝が社会規範になっていることで法事が多いのだが、その集まりを通して仲間意識が強まっていく。
こんな話を聞いたことがある。
ある日本人が韓国に語学留学して下宿住まいをしているとき、隣にいた韓国人の若者と仲良くなったが、その若者は日本人の歯ブラシを無断で使ってしまったという。歯ブラシでさえそうなのだから、他のものも無断使用が多かった。
といっても、その若者に悪気はないのである。「ウリ」同士だから品物を貸し借りするのは当然だと考えているのだろうし、実際にその若者は気前よくいろいろなものをくれたともいう。
自分の所有物でも「ウリ」同士で有意義に使おうという意識が韓国人の中にあることは確かなのだ。
文=「ロコレ」編集部