かつて芸能人が兵役に就く際の受け皿として活用されていたのが、国防広報院の広報支援隊員制度だった。いわゆる「芸能兵」である。この制度は2013年に廃止になったが、その後は義務警察の広報団に行く芸能人が多くなった。しかし、今後はそれも難しくなる。義務警察そのものが廃止の方向にあるからだ。
1982年に新設された義務警察
義務警察について、創設時からの経過を見てみよう。
義務警察の母体となったのは戦闘警察である。北朝鮮のスパイ摘発やデモの鎮圧を目的に1971年に創設されている。
その戦闘警察の一部として1982年に新設されたのが義務警察だ。主な任務は、デモの鎮圧、派出所勤務、交通整理、重要施設の警備などで、兵役対象者の代替制度として拡張されてきた。
一方、母体となった戦闘警察は2013年に廃止になってしまった。以後は、義務警察が兵役対象者の代替を担ってきた。(ページ2に続く)