◆『アクシデント・カップル』第6話
「人生を過ごす中で後悔や不幸などは決して悲しいことなんかじゃありません。後悔からは教訓を得られるし、不幸からは幸福の大切さを実感できる。本当に悲しいのは、生きているのにその証を残せないことなんです」
有名女優のジス(キム・アジュン)は冴えない郵便局員のドンベク(ファン・ジョンミン)と偽装結婚をすることになります。
ジスはドンベクに「偽装結婚をしなくていいのなら、やめたいですか?」と尋ねますが、ドンベクは、高校時代のあだ名が“イッスナマナ(いないも同然)”だったことを語りながら、上記のセリフを言います。
誰からも必要とされない人生を送ってきたドンベクは、ジスと出会い、全力で彼女を守ることで自分が存在する意義を見出していきます。
見返りを求めずに人を愛したドンベク。
不器用に見えますが、実に誠実な生き方でした。
それこそが、ドンベクにとっての幸せだったのでしょう。
文=朋道佳(とも・みちか)+「ロコレ」編集部