大きな夢を見るのが若者の特権
さらに朴敏祐氏が語る。
「たとえデビューできたとしても、練習生はそれまで長い時間を辛抱しなければならないのです。少女時代のメンバーの練習生期間を見ると、一番長い場合が6年6カ月、一番短いメンバーが2年7カ月で、平均が5年間でした。このように長い時間が必要なのは、所属事務所がまず練習生を確保しておいた後、企画したグループにマッチする練習生を選ぶからです」
つまり、朴敏祐氏の言葉によると、練習生は所属事務所が自分に合うグループを企画するまで、ひたすら待つしかないということなのだ。
所属事務所は、長い時間観察して各人の能力とキャラクターを十分に見極め、そのうえで最適な練習生を選んでグループを組ませている。それでこそ、企画できるグループの幅が広くなるというわけだ。
こうして、多くの練習生が厳しい練習を積み、幸運に恵まれた人がグループの一員になってデビューするが、成功の確率は低いと言わざるをえない。
毎年多くの新人グループがデビューするが、数年後まで生き残るのはほんの一部なのである。
それでも、練習生たちは大きな夢を見る。それこそが、若者の特権である。成功するにしても、そうでないにしても、目標がある人生は美しい。
文=「ロコレ」編集部