事実はドラマよりも奇想天外だった。
たとえば、崔順実(チェ・スンシル)。典型的な序列社会の韓国で、序列1位の大統領を裏で操る女性がまさか存在していようとは……。
国民があきれて、情けなくて、反動で怒りが沸点に達するはずだ。結局、大統領は罷免させられてしまった。
実際、韓国社会は崔順実のような権力癒着型の悪女を連綿と生んできた。彼女たちが力を得るのは、肩書にからっきし弱い男たちが足元を見透かされた場合が多い。
悪女たちは見抜いている……出世欲が強い男たちは、信念や信条といった本質的なものではなく、実利や見返りといった役得に簡単に取り込まれることを。
それは、朝鮮王朝時代も同様だった。
特に、幼い王が即位して王族の最長老女性が代理で政治を仕切るとき、世の中は大いに乱れた。実権を握った「陰の女帝」が一族を率いて利権を独占し、大事件がよく起こったからだ。
朝鮮王朝と現代韓国。悪女の存在が結果的に国の盛衰を大きく左右した。そんな悪女たちを取り上げたのが、「朝鮮王朝と現代韓国の悪女列伝 魔性の女の栄華と転落!」なのである。
書名/「朝鮮王朝と現代韓国の悪女列伝 魔性の女の栄華と転落!」
著者/康 熙奉(カン ヒボン)
発行/双葉社
定価/1000円+税