捕虜になった臨海君
1592年4月に豊臣軍による朝鮮出兵が始まり、朝鮮半島は戦火で乱れた。
開戦当初は豊臣軍が圧倒的な強さを見せ、朝鮮王朝軍は苦境に陥った。
そのとき、義兵を募る目的で朝鮮半島東北部に出掛けていったのが臨海君だった。彼は功績をあげて、自分にも能力があることを示そうとした。
しかし、結果は逆になった。
臨海君は加藤清正の軍の捕虜となり、加藤清正が各地を転々とする中で一緒に引きずり回された。
このことは最悪の屈辱感を臨海君に植えつけた。
しかも、豊臣軍は和平交渉を有利に進めるために、臨海君の人質解放をカードに使った。臨海君は朝鮮王朝にとってもお荷物になってしまったのだ。(ページ3に続く)