韓国現代史の落とし穴
朴正熙は「経済成長の立役者」とよく評される。
本当に、そうなのだろうか。
彼が日韓基本条約の締結で得た賠償金をインフラ整備に活用し、経済成長の足掛かりを築いたのは確かだ。
その一方で、民主化運動を弾圧して言論を封殺し、多くの若者を死刑に処している。軍事独裁の強圧政治は、社会の隅々にひずみをもたらしたのだ。
歴史に「もしも……」は必要ないかもしれないが、あえていえば、朴正熙が金大中(キム・デジュン)を拉致して政治活動を中断させなければ、韓国の現代史はどのようになっていたかわからない。
つまり、1998年にようやく大統領になった金大中が、もっと早く政治のリーダーになっていれば、韓国は別の形で(つまり、民主化の弾圧なくして)、大いに発展していたかもしれない。(ページ3に続く)
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