どんな結末が待っているか
政治家として特別な才能があったわけではない。すべては、父を「経済成長の立役者」と評価してくれる人たちのおかげだった。
しかし、大統領になった時点で、朴槿恵の復讐物語はその先の展開を失った。大統領になることが目的であって、なった後のビジョンは霞んでいた。
青瓦台(チョンワデ/大統領官邸)に籠もり、特定の人としか会わず、側近に政治をまかせきりにした。これほど殻に閉じこもった大統領はかつていなかった。それもそのはずで、孤独な日々が長すぎて人とのコミュニケーションが苦手だった。
そういう意味では、大統領になってはいけない人だった。「朴正熙の娘」という最高の切り札を使ってはいけなかったのだ。
韓国ドラマは、望みをすべて叶えた人の最後の転落をよく描く。復讐に失敗した朴槿恵大統領は、どんな結末を迎えることになるのだろうか。
文=康 熙奉(カン ヒボン)