第4回 南海の孤島で紅葉を楽しむ
朝鮮半島の南海上にポツンと浮かぶ済州島(チェジュド)。この島は、朝鮮半島から切り離された離島として常に存在していたわけではない。かつては朝鮮半島と陸続きだった時期があったのである。
陸地とつながっていた済州島
約1万8000年前からの数千年の間、地球上の最終氷河期の最盛期には、日本列島が大陸と陸続きであったという事実はよく知られている。
日本海はちょうど内海のようになっていた。その氷河期が終わり、おびただしい氷が溶けて海面が上昇し、多くの島々から成る日本列島が生まれたのである。
その氷河期の最盛期に、実は済州島も朝鮮半島とつながっていた。つまり、当時の済州島は陸地の最南端に当たっていたわけだ。
そこに漢拏山(ハルラサン)がそびえている。北の方角から見れば、標高1950メートルの火山は目立って目立って仕方がなかった。当然ながら南下する際の大きな目印となる。
それでは、誰にとっての目印になったのか。(ページ2に続く)