第16回/ソン・スンホン(後編)
2008年8月21日。ドラマ『エデンの東』の制作発表会が行なわれた。MBC創立47周年の記念作品。まさに、MBCが社運をかけた大作で、香港などの海外ロケも行ない、総額250億ウォンという制作費を投じている。
タフな性格が共通点
『エデンの東』の出演陣も錚々たる顔ぶれで、ヨン・ジョンフン、パク・ヘジンという人気俳優が集まる中で、ひときわ輝いていたのが主役のソン・スンホンだった。
「内容がいいし、すばらしい俳優が大勢出演します。私も一生懸命に演じます」
ソン・スンホンが演じたのは貧しい炭鉱村に生まれたイ・ドンチョル。炭鉱労組の闘士だった父が理不尽に殺されたあと、復讐を誓って過酷な運命に挑んでいく。時代背景は1960年代から1990年代にかけての激動期。ソン・スンホンはイ・ドンチョルになりきって、激動の時代を駆け抜けていった。
特に、家族や愛する女性のためならどんな苦労も厭わないというタフな性格が、ソン・スンホンとイ・ドンチョルに共通している点だ。
そういう意味では、ソン・スンホンは等身大の自分を演じている場面も多かった。その際にも、軍隊での過酷な日々が役立っている。(ページ2に続く)