康熙奉(カン・ヒボン)の「日韓が忘れてはいけない人11」

このエントリーをはてなブックマークに追加
DSCF4960

「布施辰治出生之地」と書かれた石碑

石碑「布施辰治出生之地」

「写真がありますから、ちょっと待っていてください」

そう言って、男性は額縁に納められた写真を持ってきてくれた。そこには、茅葺き屋根の家が写っていた。

「かつては出生の地を示す碑が家の前にあったんですが、事情があって近所の集会所の前に移っています」

そう聞いて、教えられた方向に200メートルほど行くと、集会場の前に「布施辰治出生之地」と書かれた石碑が建っていた。

実際の生家と、それを示す石碑の場所が離れてしまっているが、広義にその地区を「出生之地」と考えれば、それで十分に納得がいく。




今、人権の尊さが叫ばれている時代でも、果たしてどれだけの人が他人の人権に配慮できているだろうか。

そのことは私も大いに反省するところだが、思想の自由すらない時代に、身を盾にして人権擁護や社会的弱者の救済に立ち向かえる人には、ただひたすら頭が下がる。不自由で困難な時代でも、この人たちの精神こそが最も自由で闊達だった。

「生きべくんば民衆とともに、死すべくんば民衆のために」

布施辰治の人生をたどっていくと、この言葉が素直に心にしみてくる。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

固定ページ:
1 2

3

必読!「ヒボン式かんたんハングル」

「韓流ライフ」というジャンルの中に、「ヒボン式かんたんハングル」というコーナーがあります。ここには、日本語と韓国語の似ている部分を覚えながら韓国語をわかりやすくマスターしていく記事がたくさん掲載されています。日本語と韓国語には共通点が多いので、それを生かして韓国語の習得をめざすほうが有利なのです。ぜひお読みください。

ページ上部へ戻る