第8回/イ・ジュンギ(前編)
イ・ジュンギを語るうえで、絶対に忘れられないコンサートがある。それが開かれたのは、2009年4月18日だった。場所は、ソウルのオリンピック・パーク。イ・ジュンギは3時間もかけて、歌、ダンス、演技など自分が持っているすべてをファンの前に披露した。
すべてがファンのために
コンサートには6000人を越える観客が集まったが、半分以上は中国、台湾、日本、タイなどから来たアジアのファンだった。まるで世界的なスーパースターのようなバラエティ豊かな構成と演出は、まさに新しい世代の韓流スターにふさわしかった。
今までに、韓国のどんなスターもこのような規模のファン・コンサートを実施したことがなかった。
通常、韓国で開かれるファン・ミーティングといえば、小さい舞台にファンを集めて、自分が好きな歌を歌ったり、誰もが知っている音楽に合わせて稽古もしていないようなダンスを踊ったり、お笑い芸人の司会でファンの質問に軽く答えたり……それがいつものパターンだった。
しかし、イ・ジュンギのファン・コンサートはそんなイメージを完全に覆した。何カ月も前から計画を立て、プロに歌やダンスの稽古を受け、舞台もプロ・ミュージシャンのコンサート並みのものを用意した。すべてがファンを喜ばせるためだ。
(ページ2に続く)