時代劇に対する適性
下積みを経験したチ・ジニ。徐々に演技力が磨かれていった。
そして、2002年にフジテレビと韓国MBCが合同で制作したドラマ『ソナギ』で人気女優の米倉涼子と共演することになった。
このドラマでチ・ジニは韓国の刑事を颯爽と演じて、日本でもその名が知られるようになった。
そんな彼の転機になったドラマが『ラブレター』である。今まで演じたことがないようなクールな人間に扮し、内面の葛藤をうまく表現する演技派への道を開いた。
この演技が評価されて、『宮廷女官 チャングムの誓い』で主演のイ・ヨンエと共演するという大役を射止めた。
初めての時代劇だったが、彼には少しばかりの自信があった。
「1998年に映画『イ・ジェスの乱』の男性主人公のオーディションを受け、何千人の応募者の中で最終の5人に残りました。そのときに髷を結んで扮装したのですが、時代劇がよく似合っているかも、と思ったんですよ」
このように、自分の適性を見極めていたと自負するチ・ジニ。果たして、それは当たっていただろうか。
(後編に続く)
文=康 熙奉(カン ヒボン)