道は二つに分かれる
結局、『テバク』が終わったあと、作品に対するチャン・グンソクの真意を知ることができなかった。
休む間もなく、彼はソウル、東京、大阪でコンサートをこなした。天性のエンターティナーとしてのエネルギーが、大都会の喧騒の中で炸裂した。
そして、「決断の真夏」を迎えた。
果たして、決めるべきことは何なのか。
差し迫ったことを言えば、兵役にいつ行くか、ということだ。
完全燃焼したと自覚できたドラマを直前に撮っていれば、何の憂いもなく兵役に行けるのかもしれない。しかし、『テバク』はそこまで完璧な作品ではなかった。
つまり、やり残したことがあるのだ。それこそが、「俳優を続けていく理由を見つけた」という言葉の真意ではないのか。
今後は二つの道に分かれる。
完全燃焼できる作品にもう一度チャレンジすることが一つ目の道。やり残したことがあるのは事実だが、兵役期間中に今までにない自分を見つけ、除隊後に改めて挑んでみるのが二つ目の道だ。
どちらを選ぶのか。
決断の真夏は、暑い暑い日々が続きそうだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)