第16回 『四月の雪』に主演
映画『8月のクリスマス』で評価が高いホ・ジノ監督の作品に出るか、恩人とも言えるユン・ソクホ監督の映画進出第1作目に出演するか。できることなら両方に出たかっただろうが、からだが2つないだけにそれは不可能だった。究極の選択の中で、ペ・ヨンジュンはホ・ジノ監督の作品を選んだ。
俳優としての可能性を模索
ホ・ジノ監督の映画に出ることになったペ・ヨンジュン。賢明な選択だったのではないか。
俳優としての可能性を模索するのであれば、演出スタイルをよく知るユン・ソクホ監督より、自分とはまったく違う感性を持つホ・ジノ監督の作品を選んだほうが得るものが大きいはずだった。
恩師の誘いに応えることはできなかったが、ユン・ソクホ監督も十分に、ペ・ヨンジュンの俳優としての決断を理解していたことだろう。
ペ・ヨンジュンは2004年11月2日、自身の公式ホームページを通して正式に発表している。
「作品がホ・ジノ監督の映画に決定しました。前からホ・ジノ監督とは、俳優として一緒に仕事をしたいと思っていました。監督が持つ、内面の感情を表現した感性的な演出と秀麗な映像美を信頼していたからです」
この言葉の中に、ペ・ヨンジュンの意欲がにじみ出ている。
ホ・ジノ監督が、自分がめざす内面的な表現をどう引き出してくれるのか。そのことにペ・ヨンジュンは大きな期待を寄せていた。
(ページ2に続く)