日韓のドラマ制作環境の比較
韓国では、ドラマの制作環境に大きな問題があると以前から指摘されてきた。その主な原因として挙げられていたのは、「あまりに無理な撮影スケジュール」「制作スタッフをはじめとした人材の不足」「出演俳優に多額のギャラが支払われることによる制作予算の偏重」などだ。
しかし、実際に撮影スタッフの過労死という事故が発生した後も、こうした問題に対して具体的な対策が講じられることはなかった。
そんな韓国がお手本としたのが日本だった。
それはどういうことなのか。
KBSカメラマンの過労死が発生してから4年後の2009年4月のことである。
韓国の政府系のコンテンツ振興院が、日韓のドラマの編成方法や視聴状況、制作環境などを比較する報告書を出した。
この報告書の目的は、日本との比較を通じて、韓国のドラマ産業をより発展させるための方策を考えることだった。
しかし、報告書の大部分は、日韓のドラマ制作環境の比較に割かれた。韓国のドラマ産業をより発展させるためには、韓国も日本のような制作環境に近づけることが、何よりも重要だという結論に至ったからだ。
ドラマの制作環境に影響を与える要因は複数あるが、日韓で大きく異なるのが放送時間の長さとCMの数だ。(ページ4に続く)