ペ・ヨンジュン 過去への旅路〔第14回〕

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興行的にも成功

撮影が始まってみると、言葉の問題で悩むことが多かった。

どんなにセリフを完全に覚えてカメラの前に立っても、自分では思いどおりに演技できたという実感がないのである。

周囲の反応はどうなのか……。

気になってイ・ジェヨン監督のほうを見ると、彼はプロデューサーとモニターを見ながら深刻な表情で話し合っていることが多かった。

一体、なんの話をしているのか。気になるペ・ヨンジュンは、つい2人の間に割って入ってしまう。

「私にも聞こえるように話してくださいよ」

ペ・ヨンジュンは必死に懇願した。あまりに切羽詰まった様子だったので、スタッフたちはかえって冗談だと思って笑い合った。




しかし、冗談でもなんでもなかった。ペ・ヨンジュンは自分の演技に自信が持てず、監督やプロデューサーからのアドバイスを待っていた。そんな状態だったから、周囲のヒソヒソ話が気になって仕方がなかったのだ。

テレビドラマで頂点を究めた俳優も、映画の世界ではまるで新人のように謙虚だった。結果からいえば、それまでの実績を捨てて一から演技に取り組もうという姿勢が功を奏した。映画『スキャンダル』は2003年の秋に韓国で公開されたが、ペ・ヨンジュンの演技が高い評価を受けた。何よりも、「優雅なふるまいが両班の特徴をよく捉えていた」と評されたことがうれしかった。

また、興行的に黒字になったことが大きかった。

それ以前に「時代劇映画は当たらない」と言われてきたのに、そのジンクスを『スキャンダル』は覆した。新しい役に果敢に挑んだペ・ヨンジュンの意欲は、興行的な成功という形でも実を結んだ。

(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

ペ・ヨンジュン 過去への旅路〔第15回〕

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