第13回 映画界への進出を決意
『冬のソナタ』が最終回の放送を終えたとき、すでにペ・ヨンジュンは韓国芸能界でも別格の俳優として位置づけられていた。それ以前の彼は、確かにトップ俳優の一人ではあったが、突出した存在ではなかった。けれど、『冬のソナタ』の大成功はペ・ヨンジュンを「絶対無二」の域に押し上げた。少なくとも、テレビドラマの世界で彼と並ぶ俳優はいなかった。
斬新なリメーク作品
必然的に、ペ・ヨンジュンの視線は映画界を見据えていた。
彼は過去に何度も映画界に進出する機会がありながら、無理に一歩を踏み出さなかった。「テレビドラマを通してもっと演技力を磨いてから映画に出たい」と、思慮深い道を選んでいたからだ。
けれど、もう機は熟していた。慎重すぎるペ・ヨンジュンも、一転して映画主演に意欲を見せ始めていた。
そんな彼が特に興味を示したのが、イ・ジェヨン監督の新作だった。
その映画の噂を聞いたのは、『冬のソナタ』の終盤を撮影中だった2002年3月のことだった。
親しい人たちと親睦会を開いているときにペ・ヨンジュンは、欧米で何度も映画化されているフランスの小説『危険な関係』を朝鮮王朝時代に置き換えた映画の企画が進行しているという話を聞いた。
まず、その発想に驚いた。斬新で誰も思いつかないようなリメークになるとペ・ヨンジュンは直感した。
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