1人だけ現代語になっている
ただ、気になることがある。視聴者からはこういう意見も寄せられている。
「チャン・グンソクはなぜ、1人だけ現代口調を使うのですか。特別な理由があるのですか。他の俳優はすべて時代劇の口調なのに、チャン・グンソクだけ現代の口調を使っていて、『これって何?』としきりに思ってしまいます。時代劇ができない俳優ではないのに……(『ファン・ジニ』のときは本当に上手だった記憶があります)」
なるほど、視聴者はこういう部分に違和感を持ってしまうのか。
韓国語がわからないと気づかないかもしれないが、チャン・グンソクが演じるテギルは劇中で現代語を話している。時代劇向きの言葉遣いをしている他の俳優とは違いがあるのだ。これは、チャン・グンソクだけ特別扱いということなのか。
以前にも私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)はコラムで指摘したが、テギルは厳しい修業で髪はボサボサなのに髭をきれいに剃り落としていた。また、朝鮮王朝時代に大人の男性は髭を生やすのが当然なのに、テギルだけは髭がなかった。
プロデューサーや監督には明確な意図があると思う。そのうえで、チャン・グンソクが演じるテギルに髭を付けなかったのだろう。そして、言葉遣いまでも……。
これは、俳優として生まれ変わると決意したチャン・グンソクにとって、望ましいことなのか。時代劇には相応のリアリティが求められると思うが、チャン・グンソクだけはいつまでも例外でいいのだろうか。
少なくとも、時代劇のリアリティが薄まることは事実だ。ドラマを面白くするためならリアリティにこだわらないというなら仕方がないのだが……。(ページ4に続く)