第12回 大ブームを起こした『冬のソナタ』
2001年12月8日、『冬のソナタ』の出演者が集まり、シナリオを読む練習が行なわれた。このとき、ユン・ソクホ監督はペ・ヨンジュンに久しぶりに会ったのだが、「彼は俳優として風格が出てきた」と率直に感じたという。
高校生役に挑戦
風格……。
このとき、ペ・ヨンジュンは29歳だった。デビューしてから7年が経っていた。寡作ではあったが、常に全身全霊を傾けて出演作に取り組み、作品ごとに多様な演技スタイルを身につけていた。
しかも、その年の夏にはアメリカで3カ月あまりを過ごし、見聞を広めることで人間的にも幅広い素養を身につけていた。
そうしたすべての要素が、ユン・ソクホ監督が言うところの「俳優としての風格」に結びついていたのである。ペ・ヨンジュンにとって、まさに『冬のソナタ』は20代の最後を飾るにふさわしい作品だった。
ただ、心配な点があった。それは、学生服を着て高校生役を演じるということだった。韓国ドラマの常識からいえば、そういうときは子役を使うものなのだが、ユン・ソクホ監督はそうしなかった。「高校時代と10年後の姿が違うと、あまりにギャップが大きくなってしまう」というのが理由だった。
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