堂々たる演技
韓国では5月17日の放送で『テバク』は16話を終えた。全24話なので三分の二が終わったことになる。
それにしても、第16話は興味深いシーンが多かった。
チャン・グンソクが演じるテギルは、自分が永寿君(ヨンスグン)という王子であったことを知る。まさに驚愕の事実だった。ということは、ヨニングン(後の英祖)は弟に当たる。
しかし、ヨ・ジングが演じるヨニングンはテギルにこう言った。
「ヒョンニム(兄様)とは呼びません。私は王子ですから」
ヨニングンはそっけなかったが、顔には兄に対する親愛の情が浮かんでいた。テギルにしても、自分の出自がわかったばかりで、すぐに何かを主張する気持ちはまったくなかった。
粛宗と、母の淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏との面会を果たしたテギル。彼は新しい世界に入っていくことになるのだが、その前に、囚人となった李麟佐から「死んだはずの育ての父が実は生きている」と告げられる。驚いたテギルが育ての父の墓を掘り返したところで第16話は終わった。
めまぐるしい展開になってきた。その中で、チャン・グンソクはストーリーを大きく動かす堂々たる演技を繰り広げている。
間違いなくチャン・グンソクの代表作になる。そう実感しながら、第17話からの終盤を楽しみたい。
文=康 熙奉(カン ヒボン)