大型ドラマの出演依頼
それは、「ペ・ヨンジュンは出演料を上げるために作品選択を遅らせている」というものだった。テレビドラマで実績を上げながら映画界に一向に転身しなかったので、そういう噂が出てしまったのだが、ペ・ヨンジュンがギャランティーのために意図的に作品選択を遅らせるわけがない。
何よりも、「いくらテレビドラマで実績があっても映画界ではヒヨコ同然だ」と彼は自覚している。それほどに謙虚なペ・ヨンジュン……慎重すぎる性格が、いらぬ噂を生む結果になってしまったようだ。
ペ・ヨンジュンは本気で「9月に映画撮影開始」と考えていたのだが、結局のところ、その計画は実現しなかった。
彼は、持ち込まれた多くのシナリオを読みこなしたが、自分が納得できる作品にめぐりあわなかったのだ。
映画界への転身は大きな夢だったが、時期尚早と考えざるをえなかった。気が進まない作品に無理に出るようなことはしたくなかった。
そのかわり、テレビ界から魅力的な出演依頼を受けた。SBSが開局10周年を記念して制作する大型ドラマ『警察特攻隊』の主人公に誘われたのだ。
このドラマは、テロの鎮圧を任務とする特殊な警察隊員たちの愛と葛藤を描くもので、共演者にはペ・ヨンジュンが『若者のひなた』『裸足の青春』で共演したイ・ジョンウォンや、若手スターのキム・ソクフンが予定されていた。
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