第1回 純潔を守るということ
娘に厳しい韓国社会
唐突ですが、婚前純潔という言葉をご存知ですか。
日本で婚前旅行という言葉をよく耳にしますが、婚前純潔という言葉はどうなのでしょうか。明治時代なら通じたのでしょうか。
女性は結婚するまで純潔を守るべし!
私の青春時代には、韓国の女性なら誰もが結婚前に純潔を守ることが絶対的な生き方だと思い込んでいました。
「女は結婚するまで身持ちを慎重にすること!」
耳にタコができるほどそう言われ続けました。
そうであるなら、もっと正しい性教育が行なわれればよかったのですが、残念なことに当時の韓国社会は性に対して開放的ではなかった。特に娘に対してはとても厳しかったのです。
男性の異性経験は自慢話になるのに反して、女性の異性経験は「恥」「傷」「雑巾」など、マイナス的なイメージが含まれた単語でよく表現されていました。
結婚前に純潔を守るという条件が、当時の女性の恋の行方を大きく左右したのです。
私が現実と理想にギャップを感じたのは、大学に入ってからです。初めて付き合った彼と別れてから徐々に気付くようになりました。交際中には、自分の生き方が正しいと彼にぶつけてましたし、そういう私を守ってくれた彼だったからこそ信用しました。それなりに絆もあったと思います。(ページ2に続く)