『テバク』で粛宗(スクチョン)を演じる国民俳優
チェ・ミンスは「カリスマ」と称されることが多い。そんな彼は、1962年5月1日に生まれた。父親は1960年代最高のスターであり大俳優のチェ・ムリョン。母親もミスコリア出身のカン・ヒョシルという有名な女優。まさにチェ・ミンスは芸能界の典型的なサラブレッドだった。
存在感はまるで「チェ監督」
チェ・ミンスが、本格的に芸能活動に専念したのは、俳優を数多く輩出しているソウル芸術大学放送芸能学科を卒業した後だった。
1986年に『神の息子』で映画デビューを果たし、以後は何編かの映画を通して演技力を評価され、独自の俳優活動を繰り広げた。
そんな中で、なんといっても最高の話題を集めたのが、1995年のドラマ『砂時計(モレシゲ)』だった。当代最高のキム・ジョンハク監督に見込まれ、恵まれた制作環境の中で、チェ・ミンスは俳優として新境地をひらいた。このドラマでは、「俺、震えてるかな?」の名セリフで強烈なインパクトを残した。そして、またたくまに1990年代最高のスターとなった。
すべてに情熱的な彼の性格は、作品に対する高い意識からも十分にうかがうことができる。しかも特筆すべきは、彼が制作スタッフから「チェ監督」と呼ばれていることだ。
彼は単純に俳優として演技するだけでなく、カメラの位置、照明、音響に至るまで細部までチェックする。
俳優の越権行為と思われがちだが、これが本来の彼のスタイルなのだ。このような姿にむしろ制作陣が彼の言葉に耳を傾けることが多い。
一部のスタッフの間から「チェ・ミンスさんが制作現場にいなければ不安で仕方がない」という声も出るほど、彼は撮影現場で信頼されていた。(ページ2に続く)