韓国ドラマの傑作が鍵を握る
ドラマから火がついた韓流ブームは音楽の世界も取り込んでいく。
東方神起を起爆剤にして日本でもK-POPが人気となり、韓流のファン層は10代や20代にも広がった。
それにつれて、東京の新大久保は代表的なコリアタウンとして有名になり、大勢のファンが連日詰めかけるようになっていった。
その人出がピークに達したのは2011年の夏頃だろうか。大久保通りに並ぶ韓流ショップは大盛況で歩道から人がはみだすほどだった。
目当てのスターのグッズや韓国化粧品を買って、美味しい韓国料理を堪能する……韓流を一番身近に感じる街としての魅力が新大久保にはあふれていた。
そんな街角で聞いた一言が今も耳に残っている。ある女性が「本当に韓国にあこがれるわ」と言ったのだ。
しかし、韓流が注目されればされるほど、そこに「アンチ」も生まれる。加えて、政治的な日韓関係の悪化によって、韓流はかつてない逆流にさらされた。
これから、日本で韓流はどうなっていくのだろうか。
鍵を握っているのは、一にも二にも「韓流の中身」だ。特に、韓国ドラマで傑作が出るかどうかが重要である。
韓国では最近、『太陽の末裔』が爆発的なヒットを飛ばした。確かに面白い。こういう作品を作れるのだから、やはり韓国ドラマには底力がある。
ドラマというのは、放送回数が多いだけに、その国の生活の隅々まで描写することができる。まさに、韓国を知るための最適なコンテンツである。
今後は、『太陽の末裔』のような傑作ドラマや、すばらしいパフォーマンスを見せるK-POPスターによって、韓流が日本でさらに発展していくことを願っている。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)