『テバク』でチェ・ミンスが重厚に演じている19代王・粛宗(スクチョン)。彼は生涯で6人の息子を持ったとされている。有名なのは、20代王の景宗(キョンジョン)と、21代王の英祖(ヨンジョ)である。しかし、粛宗が一番愛したのは別の息子だった。
息子を餓死に追い込んだ王
『テバク』の第7話で象徴的な場面があった。
淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏から生まれたヨニングン(後の英祖)が、朝鮮王朝の高官から生まれの低さについて陰口をたたかれたのである。
ヨニングンは悔しくて仕方がなかった。
これは史実にのっとった話である。
というのは、1724年に即位した英祖は、母親が低い身分の出身であったことをかなり気にしていたという。
現実でも、高官たちの陰口を聞いてしまったことがあったのではないか。なんといっても、英祖にとっては母親がコンプレックスの原因になっていた。
その英祖は、1762年に世子(セジャ/王の正式な後継者)だった息子を米びつに閉じ込めて餓死させる事件を起こしている。
相当な偏屈者だったようだ。
そうでなければ、いくら息子に問題があったからといって、餓死まで追い込むことはなかっただろう。(ページ2に続く)