『テバク』歴史解説!鍵を握る男 李麟佐の正体

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韓国時代劇『テバク』第一話の冒頭。チャン・グンソク扮するテギルと、チョン・グァンリョルが演じる李麟佐(イ・インジャ)の対面シーンが印象的だ。

民を思うテギルと、李麟佐の緊迫した対立は物語の期待感を高めることに成功している。

物語の鍵を握ることが確実な李麟佐。彼を知れば『テバク』がより面白くなることは間違いない。

後世の歴史書に「反逆者」と記される李麟佐。その正体に迫る。

宮中が2つに割れた後継者問題

チャン・グンソク413

王族の資質を見せるチャン・グンソク

李麟佐を知るためには、当時の時代背景を知ることが必須になる。これまでの記事の復習となる部分も多いが、改めて当時の時代背景を見てみよう。

物語の舞台は、19代王・粛宗(スクチョン)の治世末期。後継者を巡り、王朝が2つに割れていた時代だ。

朝鮮王朝を発展させた名君として知られる粛宗だが、彼は正室との間に嫡子を授かることができず、2人の側室から生まれた子のどちらかを後継者にする必要があった。

本来ならば、先に生まれた子が後継者となるべきなのだが問題が生じた。母親が罪人として処罰された張禧嬪(チャン・ヒビン)だったのだ。臣下の多くが、罪人の子を王にすることを反対した。




そのため、宮中ではドラマ『トンイ』のモデルとなった淑嬪崔氏(スクビンチェシ)の子を王に擁立する動きが活発化した。

ここでドラマならではの設定が登場する。

実は、王位継承者候補の1人になった淑嬪崔氏の子は次男であり、史実では長男は早世している。しかし、『テバク』では、長男は死なずに「イカサマ師テギルとして生きていた」という設定がされている。

作中でテギルは、ところどころで王族の資質を見せる。チャン・グンソクはそうした瞬間的な部分を見事に演じ切っている。

(ページ2に続く)

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