『テバク』歴史解説!登場人物の本当の姿

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酒と賭博が大好きな王子

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ヨ・ジングが演じるヨニングンは1723年に19歳だった(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)

張禧嬪(チャン・ヒビン)が1701年に死罪になったあと、粛宗は新しい正室に仁元王后を迎えたが、側室だった淑嬪・崔氏は王宮から外に出されてしまった。このように、淑嬪・崔氏が冷遇されるようになったのは、粛宗が不信感を抱いたからである。当時、淑嬪・崔氏には他の男性との付き合いを匂わす噂があった。それが粛宗の怒りを買った理由に違いない。

王宮の外で暮らすようになった淑嬪・崔氏。彼女の息子ヨニングンは、のちの1724年に即位した21代王・英祖(ヨンジョ)である。

しかし、淑嬪・崔氏は息子が王になったことを知らなかった。1718年に亡くなったからである。享年48歳だった。

生前は、息子の教育に大変熱心だったようだ。『テバク』第4話でも、淑嬪・崔氏がヨニングンの頬をひっぱたく場面が出てくるが、実際にも躾けのためにそういうことがあったかもしれない。




叱られていたヨニングンは、1694年の生まれなので、1713年というと19歳になっていた。『テバク』では酒と賭博が大好きなように描かれているが、もちろん、史実ではそういうことはありえない。王の後継者ではなかったが、王子として相応の格式で育てられていたのだ。

なお、チャン・グンソクが演じるテギルは実在の人物ではないが、「実はわずか2カ月で早世した永寿君だった」と設定しているのが『テバク』の核心である。まったくありえないことだが、「万が一、そういうことがあったらどうだろうか」と考えるのが韓国時代劇の面白いところだ。

実在の人物と架空の人物がまじりあって、ストーリーがダイナミックに展開すれば、視聴者も見ていて楽しいだろう。

(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)

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