俳優としてのユナク
カリスマ性があって日本語が堪能なユナクを放っておくわけがなかった。日本映画界が彼に白羽の矢を立て、ユナクは映画『無花果(いちじく)の森』に主演した。
彼はなぜこの映画に出ようと思ったのだろうか。その決意に至った背景を本人はこう語っていた。
「お話をいただいとき、DVや不倫、芸能界の薬物汚染など、すごく重い内容なので、最初は出演を断りました。その時期にちょうど日本でミュージカルの公演があり、その現場に監督と制作の方がわざわざ足を運んでくださいました。監督が『この役はぜひユナクさんにやってほしい。心配なことは何?』と聞いてくださったので、悩んでいることを素直に話しました。監督は『そういう部分は調整できるよ。大丈夫だから安心して』と言ってくださいました。僕の仕事場まで来てくださり、そこまで話してくださる方ならば、絶対大丈夫だと信じて出演を決めました。監督を信じて出演してよかったと思っています」
ユナクが演じたのは、日本に留学してジャーナリストをめざしている韓国人青年。この設定ならば、ユナクも「等身大で演じられるだろう」と思ったはずだ。ラブシーンもあったが、ユナクはファンにこう気持ちを伝えている。
「“俳優”としてのユナクを見てほしいと思います。僕がこの世界に入ってから、いろんなジャンルの仕事に挑戦したいと思うのは当たり前のことなのです。“超新星のユナク”が好きなファンは抵抗あるかもしれませんが、“個人としてのユナク”のファンならきっと理解してくれると思います。そして、応援してくれると信じています」(ページ3に続く)