韓国らしい「食事の作法」

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韓国ドラマを見ていると、年配の女性たちがオンドル部屋で食事をしているときに片方の膝を立てて座っています。日本だったら、かならず注意されるでしょう。しかし、韓国ではまったく逆です。どこが違うのでしょうか。




韓服の時代からの伝統

礼儀作法は、国が違うとまったく変わるものなのかもしれません。
なによりも、日本で無礼とされていることが韓国では礼儀にかなっていることが多いと言えます。
特に、食事に際して韓国の礼儀作法は日本とかなり違います。
たとえば、韓国では女性たちがご飯を食べるときに、しっかりと片膝を立てることが一般的になっています。
これは韓国では無礼どころか、女性のたしなみの一つなのです。
伝統的な韓服を着ていた時代から、女性たちは片膝をついて座ることが一つの礼節となっていました。
そのほうが韓服の場合には姿が美しく見えたのです。
これを「女性足」ともいいます。
洋服を着るようになった今でもその伝統は受け継がれており、食事のときも片膝をつくように座ります。




これは、韓国では当たり前の話なのです。
食事中の動作についても、日韓で違いがあります。
典型的なのが、韓国では食事中に器を持って食べないことです。
現代の韓国にも、朝鮮王朝時代からずっと受け継がれてきた「両班(ヤンバン)文化」が残っています(両班とは貴族階級のこと)。この中では、器を持って食べることはいけない、とされました。
なぜなら、伝統的に使われてきた食器は「ノッキ」という重い鉄器だったので、手に持って食べることができなかったのです。
また、韓国料理に出てくる汁は長く平たい形の食器に入れるため、さじですくって食べるほうが理にかなっていました。
つまり、原則的に韓国では食事のときに食器を手に持ちません。ここが日本とはまったく違うところなのです。

文=「ロコレ」編集部

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