韓国のドラマを見ていると、食事をするシーンがとても多いと感じますか。作品によっては、食事のシーンだけで次々に物語を展開させています。なぜ、韓国ドラマには食事の場面があれほど多いのでしょうか。
食事は人間関係の中心
韓国人は、会食(フェシク)がやたらと好きです。
少しでも知り合いになるとすぐに会食を開きますし、会社単位の会食もとても多くなっています。
さらには、ランチタイムになると1人で食事をする人は少なく、何人かでワイワイと昼食を取るのが韓国スタイルです。
韓国では「知り合い同士が一緒に食事をすることが人間関係の中心」と考える風潮が特に強いです。
出会ったときの挨拶に「ご飯を食べた?」というフレーズをひんぱんに使うのも、友人なら一緒に食事をしようという思いが込められています。
また、食堂に行っても、1人で食事をしている人は日本と比べてはるかに少ないことでしょう。
1人で食事をすれば、友達がいないと思われても仕方がありません。それほど「食事はみんなで仲良くするもの」という意識が強いのです。
これほど人間関係の中心を「一緒に食事をすること」に置いているので、韓国ドラマには食事のシーンが多いのです。
しかも、食事のシーンでは会話がはずみますから、物語を次々に動かしていくのに好都合です。
たとえば、韓国ドラマには家族そろって朝食を食べる場面がとてもよく出てきます。1日の始まりである朝食の場で物語の伏線となる話を出演者にさせておいて、その伏線が様々な場面設定につながっていく、というのが韓国ドラマに多い作り方です。
1人で食事をすることになれている日本では、食事シーンはそれほど重宝されません。しかし、韓国ではみんなで集まって食事をするのが習慣になっており、その場を活用してストーリーが作られていきます。
だからこそ、韓国ドラマにはあんなに食事シーンが次から次へと出てくるのです。
文=「ロコレ」編集部