たとえば、友人と一緒に焼肉店へ行ったとしよう。韓国料理をよく知らない人は、焼肉店へ行っても「タン塩だ、カルビだ、ホルモンだ」と肉だけを食べ、さらに生ビールをガブガブと飲む。そうして「やっぱり韓国料理はうまいね」と頷いているのが普通のパターンではないだろうか。これではあまりにも肉料理に偏りすぎていて、健康的な食生活とは言えない。それでは、一体どうすればいいのか。ここでは、もっとヘルシーな焼肉店活用法を考えてみよう。
最初はナムル
まず、焼肉店へ行く。
メニューをひと通り見回してみるが、すぐには肉を頼まない。肉以外にどんな料理があるかをチェックする。
野菜、惣菜、スープなどのメニューが充実しているかがカギだ。それらの品目が貧弱な焼肉店はなるべくパスしよう。肉が美味しいと同時に、肉以外のメニューも盛り沢山な店こそが重宝する価値があるのだ。
そんな店を選んだら、最初は決まり文句のようにナムルを頼む。
これは、豆モヤシ、ほうれん草、人参、大根、ゼンマイなどのあえ物の盛り合わせである。野菜を採るには最適なメニューだ。
このナムルにキムチを加えて最初はビールのつまみにする。さらに、韓国風冷や奴があれば、これも頼んでみる。
肉はまだ早い。
慌てることはない。最初に前菜を堪能する。ナムルが美味しければ、さらにナムルを追加してもいい。
さらに、もっとボリュームがあるものがほしければ、海鮮チヂミやチャプチェを注文してみよう。これらも栄養がたっぷりである。
会話が盛り上がってきてそろそろ肉料理にいこうかというときは、タン塩でもカルビでも好きな種類を頼むことになる。
このときはサンチュも注文すること。これは、どの店にもかならずある。つまり、肉だけを頼むのではなく、一緒にサンチュを加えることを鉄則にするのだ。
そして、肉を焼いて食べるときには、肉をそのまま口にいれるのではなく、2回に1回でも3回に1回でもいいからサンチュに包んで食べるようにする。
サンチュを頼めば味噌が付いてくるので、それを肉に付ければなお一層美味しく食べられる。
あるいは、店にニンニクの薄切りを頼んでみよう。それを少し焼いてサンチュに入れるのだ。
こうして食べることによって、ただ肉だけでなく、多くの食材を同時に摂取することができる。
ひととおり肉を食べたあとは、仕上げにスープをぜひ注文しよう。
スープには、野菜がいっぱい入っているユッケジャンスープ、牛のしっぽを煮込んだコムタンスープ、カルビの肉が入ったカルビスープなどがあるし、ワカメスープや玉子スープも美味しい。
韓国料理には本当に美味しいスープがあって栄養も満点だ。
特にスタミナをつけたいときは、ぜひコムタンスープを飲んでみよう。牛のシッポを長時間煮込んでいるので、スープ自体に栄養素が盛り込まれている。
ユッケジャンスープは辛いが、この辛味が身体中から力をみなぎらせてくれる。野菜がたっぷり入っているのもいい。あっさりしたものがよければ、栄養価が高いワカメスープがお勧めだ。
このように、ご飯を食べるときや焼肉の仕上げをするときには、かならずスープも一緒に頼んでみる。予算にかぎりがあるなら、今まで頼んでいた肉の品数を減らせば良いだけの話である。
そうやって余った予算をナムル、サンチュ、スープに振り分ける。そうすることで、非常にバランス良くヘルシーに焼肉店でのフルコースを食べることができる。
構成=「ロコレ」編集部