朝鮮王朝時代の国王は27人いたが、平均寿命は46歳である。人生50年の時代なのに、平均で50歳まで生きられなかった。それは、なぜなのか。食べすぎが原因ではないだろうか。
毒味用の女官は3人
朝鮮王朝時代の国王は、1日に5回も食事をした。
その食事はスラサンと呼ばれたが、当日の一番最初の初スラサン(正式には初朝飯という)では、主にお粥を食べた。そして、午前10時頃に朝スラサン、午後に昼スラサン、夕方5時頃に夕スラサンを豪華に取った。
さらに、最後に夜食を食べて1日をしめくくった。
どう考えても食べすぎである。歴代の国王には口内炎が多かったというが、運動不足なのに食べすぎだったから、それも仕方がない。
なお、最も重点が置かれた食事は朝スラサンと夕スラサンである。国王が食事をする時には3人の毒味用の女官がついて、出された料理がチェックされた。
それでは、どんなものがいつも出されていたのか。
スラサンの基本は御飯、湯、汁のある煮物、鍋物、沈菜(キムチの原型の漬物)と12種類のおかずで構成された。
御飯は白飯と赤飯の二つ、ワカメスープとコムタン(牛の肉と内臓を長時間煮たスープ)も出て、どちらか好きなほうを食べられるようになっていた。
12種類のおかずも豪華版だ。肉や魚の焼き物、チヂミ、肉類の蒸し物、熟菜(野菜類を茹でて作るナムル)、生菜(野菜類を生のままで作るナムル)、煮込み、漬物、魚介類の塩辛、干し魚、海苔、刺し身、半熟卵などだ。
食器は季節によって異なった。寒い季節には銀食器を使い、暑い季節には磁器食器を使った。
けれど、スプーンと箸はいつも銀のものだった。銀は毒に接すると変色するため、事前に毒の有無をチェックできる効果があったからだ。
文=「ロコレ」編集部
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