韓流スターも新兵訓練を終えると、各部隊に配属されていく。そこでは、どんな生活を送るのであろうか。それを知る手掛かりとして、軍隊での平均的な1日を見てみよう。
6時起床で8時に軍務開始
毎朝、宿舎の兵士たちが起床する時間は6時である(冬になると6時半になることもある)。
起床すると、すぐに宿舎で自分の身の回りを整理し、全員が練兵場に集合して朝の点呼を受ける。いなくなった者や体調が極端に悪い者がいないかを点呼の段階で点検されるのである。
点呼が終われば全員で体操して、寝ぼけた身体を目覚めさせる。その後は朝食を食べて、朝の軍務の準備をする。
午前の軍務は8時から始まる(冬になると8時半になるときもある)。
そのときはいったい何をするのだろうか。
特技を持って軍務についている者は自分の特技を生かした作業を行ない、特に特技がない者は戦闘技能の向上をめざして訓練を受ける。
兵士は、常に軍事訓練をしているように思われるかもしれないが、実は訓練より作業のほうが多い。どんな作業があるかというと、施設の修理や建設のための労働に従事したり、山へ行って木を切り倒したり、訓練のための準備として様々な障害物の整備をする。当然ながらどの作業も肉体を酷使するので疲労が甚だしい。
軍事訓練の場合は、一般的に射撃訓練ばかりやっているように感じるかもしれないが、実際はそうではない。戦闘訓練には様々な種類があって、射撃訓練はその中のほんの一部なのである。
何と言っても、戦闘能力を高めるためには体力がなければならず、そのためにランニングを繰り返すのも軍事訓練であり、障害物を乗り越えるとか地に這いつくばって前進するといった動作を繰り返す。
なお、戦闘訓練の中では、遊撃訓練が非常に苛酷で身体を酷使する。
遊撃訓練とは、練習場になっている山野に出かけて、実際の戦闘を想定して前進したり身を隠したりしながら目標の場所に早くたどり着くというもの。訓練の中でも特に過酷と言われる。終わればヘトヘトだ。
そうした訓練で午前中が終わると昼食になり、若干の休憩を経て午後の訓練が午前と同じように行なわれる。
午後5時になってその日の軍務がすべて終わると、夕食や装備の手入れなどをして休憩時間になり、その後、夜の点呼が行なわれて10時に就寝となる。それが通常の兵士の1日である。
文=康 熙奉(カン ヒボン)