『トンイ』の撮影のとき、ハン・ヒョジュは何を感じたのか。彼女は当時「確実に言えることは、成長したということではなくて、今まさに成長しつつある過程にあるということです」と語っている。
10年分くらいの経験
ハン・ヒョジュが言った「今まさに成長しつつある過程」とはどういうことなのか。もっと詳しく彼女の説明を聞いてみよう。
「今回の『トンイ』というドラマを通して、女優としても人間としても、いろいろ助けてもらったと思います。撮影は1年間ですが、10年分くらいの経験をしたような気もします。その経験を通して、『少女から大人の女性になるというのはこういうことなのか』と感じました」
こうして、ハン・ヒョジュからは少女の頃の面影が消え、大人の女性としての美しさが見えてきた。
それこそが彼女の成長の証だろうが、まだ過程にあると自ら表現するところに女優としての頼もしさがある。
実際、ハン・ヒョジュはトンイになりきって1年間を過ごしてみて、この女性の中に何を見いだしたのであろうか。
「トンイはまさに強い心を持って運命を変えていった女性です。とても尊い心を持っていましたし、正直で正しい道を歩いていきました。私が演技をするにはすばらしすぎる人だと思いました」
こう語るように、ハン・ヒョジュは『トンイ』のヒロインについて最大の称賛を惜しまなかった。
文=康熙奉(Kang Hibong)
写真=富岡甲之(Tomioka Yoshiyuki)